Series B

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目が覚めるとやっぱり真っ白の部屋の中にいた。

夢ではなかったって事か…。



あの子はまだ眠っている。
ホント
よく眠る子だ。



そう言えばあの時篠田という女が言っていた
”遺伝子配列でわかった凄い事”
ってのはなんなんだろうか…?

そんなことより
オレはやっぱりずっとここにいる事になるのか…?



考えてもキリのない事を昨日から考え続けている。

もうソロソロ考える事にも飽きてきた…。



すると突然、部屋の扉が開き
昨日篠田という女の後ろにいたボディガードが部屋の中やってきて
寝ている女の子を抱えて連れて行った。



その様子にあっけにとられていると
勢いよく扉は閉められ

白い部屋に一人きりになった。



それから何時間か経った頃に
再び部屋の扉が開けられると

篠田という女が女の子の手を引いて部屋に戻ってきた。



女の子の目はひどく充血している…。



足取りはおぼつかなく
無表情で意識も薄いような雰囲気…
手首と足首には何かに縛られたような後がくっきりと残っていた。

その姿は見ていて痛々しい物だった…。



「キミのせいだよ?」



篠田という女が口にしたセリフ…。

オレのせい…?



「キミ昨日シなかたんでしょ?」



「あ、当たり前だろ!」



「やっぱり…。」



「それがなんだって言うんだよ?!」



「なにって…

 こないだ説明したけど、

 それがこの子達の仕事なの。

 この子は仕事をしなかった。

 そういうこと事。」



「どういう事だよ?」



「ホント、鈍感だね。

 仕事をすれば報酬がもらえる。

 仕事をしないと罰が与えられる。

 人間社会の当たり前の事。

 この子は仕事をしなかった

 だから罰を与えられ

 再教育された。ってこと。」



そういって篠田は女の子を抱えベッドに寝かせ愛おしそうな顔でその子の頭をなでた。



「どんなコトされてるか知りたい…?」



一瞬辛そうな表情を見せその表情を飲み込むように一息つくと
そんな質問をしてきた。



オレはそのただならぬ様子に
黙って首を横に振った…。



「きっとキミもそのうちわかる時が来る…。」



そう言って篠田はバーコードの印字されている女の子の腕に手を当て何かを確かめるように手を離した。

その手首には注射の後のような赤い点の傷跡が見えた。

  
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