Series B

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唇が離れると
オレはベッドの上で智美を見下ろすような形で覆いかぶさっていた…。



不意に見つめあうように目が合うと

智美が



「外の世界の人も

 毎日こういうことするの…?」



と問いかけた。



オレは黙って首を横に振った…。



「じゃあいつ?

 誰と?どんなときにするの?」



智美は複雑そうな表情でさらに問いかける。

きっとただ単純に知りたいんだろう。

智美の中の抑圧された思考…。



「本当に一番好きな人…

 愛してる人と…その人を大切にしたい

 守りたいって思える人と…

 するんじゃないかな…?」



その言葉に智美は首をかしげる。



…そうか。

篠田さんが言ってた…

”好きとか嫌いとかの感情はない

 プログラムしていない”

と…。



「…ごめん…わかんない…よね?」



そういうと

智美はオレの首に腕を回し身体を引き寄せた…。



智美の耳元に顔をうずめる…。



「…コウ………。

 好き…だよ……………。」



耳元で智美が確かにそう囁いた…。



でもきっと
わかってないんだよね…?
そんな感情…。

行為を行うには好きじゃなきゃいけないって
オレの話を聞いて
そう学習したから

それを執行しているだけ…。

なんだよね…?


   
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