Series B

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肌に触れるおかしな感触で目が覚める…。



見覚えのある真っ白の天井じゃない…。

ここは…?



寝起きの目には眩しい…。

このライトは…手術室…?



気付いた…あの部屋だ…。



肌に触れるおかしな感触は
手首と足首を拘束しているもの…。



「起きた…?」



と聞き覚えのある声が聞こえて
オレを覗き込むマスクをした誰か…。
その目にも見おぼえがある…。

あぁ…篠田さん…。



オレは何故こんなことになっているんだろう…?



瞬間、左腕に針が刺さる感触…。

液体が血管の中に注がれていく…。



…うわぁっ………!!



全身の筋肉が収縮して
身体に勝手に力が入る…!



自分でもわからないくらいの大きな声が出たんだろうか…。
口の中にタオルをつっこまれる…。



苦しい…つらい…怖い…・!!



手足を拘束されてその痛みを逃がすこともできない…。



どんどん体内に注がれる液体…。



全身の筋肉が暴走している感覚…。



…活性剤………?



目を閉じようとしても
閉じることができない…。

力が入って動かないんだ…。



意識が遠くなっていく…。



目の前の光がぼんやりとしてくる…。



すると赤い光が目の前にチラチラ…。



その光が直接目の中を捕らえる…。



…うわぁぁぁ……………!!



脳の中まで力が入っていく…。



頭の中のどこかで鳴る機械音…。

…見覚えのある景色。



目を開いているはずなのに
目の前に映ってくるのは

不規則に羅列されている文字や数字…。



そして…記憶の中の様々な場面………。



断片的に移る新しい記憶…。

それから…
幼かったころの記憶…。



やめろ…!やめてくれ…!!



全身に力が入っていく…。



誰だかわからない顔…。

目の前に映る誰か…。



うわぁっ!!

やめろ…!やめろ…!!



身体が記憶の再生を拒否している…。



いっきになだれ込んでくる………。



幼い手のひら…?

その手のひらに重なるもう一つの小さな手のひら…。



薄暗い建物…?



見覚えのある部屋…。

…ここだ。



やめろ…っ!!やめてくれっ…!!



全身の力がもう耐えられない…。



   
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