青春の稲妻

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「あぁっ…あっ…んっ…!」



屋上に寝ころぶアタシの目の前に重なる陰。

逆光で表情は暗く見えない。

長い髪の毛が揺れている。



アタシの上でみだらに腰をを揺らし
甘い声を上げながら感じている。



もちろん
自分にイチモツはついていない。



コイツはいつも
アタシが授業をサボって屋上にいるとやってきて
持参したペニ○バンドをアタシに巻き付け
その上に跨る。

何度も腰を揺らしながら
アタシの名前を呼ぶ。



「コウっ…コウっ…!」



限界が近いみたい…。



「優子…。」



名前を呼んで両手で腰をつかみ
自分に付けられているモノを
優子の中に激しく打ち付ける。



「んっ…あぁっ…!!!!!」



全身の力が抜け
アタシの身体の上に崩れるように倒れこむ優子の身体を
受け止めると

はぁはぁと短く息をしていた優子の呼吸が
落ち着いてくる。



「じゃあ行くね!」



優子は後始末をして
屋上に寝ころぶアタシを残して去っていった。





これでやっと一眠りできる。



目をつむって意識を失う。



どれくらい眠っていただろうか。

耳元で声がして目が覚めた。



「コウ!!」



アタシの顔をのぞき込む見慣れた顔

…見飽きた顔。



「なんだよ…。」



幼なじみの河西智美が寝ているアタシを起こしに来た。

これもいつもの事。



智美は家が隣で
生まれた日にちも病院も一緒。

だけど
背の高さも体格も全然違う。



アタシは中学2年の頃に170cmを越えたけど
智美は小柄で小さい。



家庭環境も全く違う。



智美の家はドラマみたいに家族円満
両親も姉妹も仲良し。

でもアタシの家はちょっと変わってて
親父は大手証券会社の取締役。
母親は物心つくまえに家を出て行って
それから何度も新しい母親が家にやってきては知らない間に居なくなっていた。
どの母親も秘書とか愛人上がりの香水臭い女だった。



「部活は?」



困った顔でのぞき込む智美。



「休むし。」



「毎日休んでるじゃん。」



「そうだっけ?」



そういっていつもごまかす。



すると携帯が鳴った。

ディスプレイを見ると秋元才加の文字。



アタシが所属しているバスケ部の主将。



「もしもし。」



〈今日こそ部活こいよ!〉



怒鳴るような声。



「考えときます。」



〈考える必要ないだろ!

 お前来ないと練習になんないんだよ!〉



「めんどくさ…。」



〈今お前なんて言った?!〉



確実に怒り出した。

こうなるとメンドクサイから
携帯を智美に投げ渡し

智美がその電話に出る。



才加は智美には甘い。

中学の頃からだ。



それからこの高校のバスケ部は
強いんだけど部員が少ない…。



キャプテンの才加を筆頭に
元大阪選抜の増田有華
それから宮澤佐江

この3人に加えて
同じ学年だと
バスケできないのに入部してきた
高橋みなみ
小林香奈

あとは1年がちらほら。



練習にならない
っていった理由がこれなんだ。



なんて考えていると
智美が電話を切ってその携帯を
投げ返した。

智美はホント運動音痴で

その携帯はアタシの手をそれて
コンクリの角にぶつかった。



慌てて拾うと
液晶が真っ黒になって割れていた。



それでも智美は謝らない

いつもの事だから。



でもこれでもう才加からの電話はこない。



帰ろう。



 
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