青春の稲妻

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部活の朝連がやっと終わった。

朝から連れだされて汗だくで…。

結局バスケの練習とか紅白試合とかすると
つい熱が入ってしまうのは
やっぱり根っからの気質で…。

才加はそんなアタシをみて笑ってる。



「お疲れ〜!」



そう言って部員のみんなにタオルと飲み物を配るのは
マネージャーの優子で
アタシに対しても普通に



「お疲れ〜!

 まさか部活来るとは思ってなかったよ〜!」



と話しかけてくる。

屋上での妖艶な感じとは違って
全開の笑顔でキンキンと耳に響く大きな声…。



差し出されるタオルをもらって汗を拭きながら
体育館を眺める。



もう一人のマネージャーで
彼女の友美が気だるそうに
転がるボールをかごに入れている。

それを手伝おうとする才加



「大丈夫?手伝おうか?」



才加は友美が好きだ。

それは知っている。

それに
才加もアタシが友美と付き合ってるのも知っている。



そんなことを友美は知ってか知らずか



「うん。」



なんて少しそっけない返事をして
それでも才加は少し照れくさそうに作業を手伝っていた。



体育館横の水道の蛇口を上に向けて
めいっぱい蛇口を開けて水を出す。

冷たくて気持ちいい水に頭ごと浸かる。

顔を洗って頭から水をかぶって
優子から受け取ったタオルでその頭から滴る水を
ガシガシと拭きとる。



「犬みたい!」



そういって優子が隣で笑っている。



くせ毛の髪は水に濡れるとくるくるで…。

今まで面倒だから短く切っていたんだけど
伸びてきてしまった髪は
本当にプードル系の犬みたいに見える…。



「ねぇコウ?今日スタジオ行く?」



隣にいた優子が話しかけてきた。



「あぁ…。行こうかな。」



「やった!佳代ちゃんたちもくるって!」



「おぉ。久々かも。」



「じゃあスタジオに19時!」



そう言って優子は体育館の片付けに戻っていった。


  
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