青春の稲妻

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=====Ayaka=====



いつの間にか覚えた
コウの好きな料理…。

毎回おいしいと言って食べてくれるのは
朝食だけって
皮肉なもんだよね…。

コウがいつ来てもいいように
いつもコウの物は決まったところに置いて…。



初めから1番になりたかったわけじゃない。

でもやっぱりコウを知れば知るほど
コウに惹かれていく自分がいる…。



コウの腕に抱かれながらいつも思う…。

このままコウの中に溶けてしまいたい…。

って…。



時折見せるコウの心の暗い部分に
吸い込まれて消えてしまえたら
どれだけ幸せなんだろう…。



だからコウに抱かれた後はいつも
決まって同じ話をする…。



「家の方はどう?」

「幼馴染の智美ちゃんは?」

「彼女とはどう?」



自分を現実に引き戻すために…。



こんなつもりじゃなかった…。

ただ、コウの近くにいるだけでよかったのに…。



コウを好きになりすぎた…。



コウから香る知らない香水の香りに嫉妬して
一瞬だけでも自分のモノにしてしまいたいと思う

そんな自分が大嫌いで…

そんなことを思わせるコウが大好き…。





だから…

自分から身を引くしかないのかな…?





それができるなら…。



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