青春の稲妻

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そんな不安定な毎日を過ごしていたある日

何故か
友美・智美に誘われて近くのファミレスに来ていた…。

アタシの隣に友美が座って
アタシの目の前に智美が座った。

そして…智美の隣には佐江が座っていた…。



「ダブルデートだね!」



なんて佐江が言いだしてやっと状況がつかめた…。



「実は…

 佐江たち付き合うことになったんだ!」



そう言って佐江は智美の肩を抱いた。



…ムカついた。

よくわかんないけどムカついた…。



それに智美もまんざらでもない笑顔…。



「「ふ〜ん。」」



「ちょっと!ともちんもコウも反応薄くない?!」



別に誰が誰と付き合おうが関係ないよ…。

きっと友美もそう思ってるはず…。



「で、どっちから告ったの?」



って、友美は恋バナとか好きなんだ…。



「そんなの佐江ちゃんからにきまってる…。」



智美の表情がイマイチ読み取れなかった。
一瞬目があったけど
すぐにそらされた…。

意味わかんない。



そのままアタシを覗いた3人で恋バナが
いや、ノロケ?が始まった。

アタシは頼んだフライドポテトを食べながら
その光景を聞き流していた…。



目の前にいるのに智美が遠く感じた…。





「ねぇ?ねぇってば?」



友美の怒った声に目線を上げる。



「なに?」



「そんなにフライドポテトが大事??

 さっきからずっと話しかけてんだけど。」



「ごめん。おいしいからつい!」



なんて言うとみんな笑いだす。

佐江は
笑っている智美をみて笑って…。



「…アタシそろそろ帰る。」



「え?!なんで?!」



佐江の声デカイ…。



「気分…。

 友、帰ろう??」



そう言って友美に手を差し伸べたら
その手を友美は黙って握り返し立ち上がった。



なぜか、
この空間にいるのが凄く嫌になった…。



テーブルの上にお金だけ置いて
友美を連れてファミレスを出た。





「どうしたの?

 友なんかした??」



…自分でもどうしてなのかわからない。



「ううん。

 友と2人の方が楽しいから。」



そういって月灯りが照らすアスファルトを
手をつないで歩いた…。



そう言えばあの日から
ムーンライトスタジオに行ってないな…。

ってそんなことを考えながら。

   
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