青春の稲妻

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放課後
才加たちが部室にやってきた。



「え?!コウ?!」



部室にいるアタシがそんなに珍しいか…。



「しょうがないから部活でてやるし。」



なんてセリフが自分からこぼれると

才加は



「べつに頼んでね〜し!!」



って笑った。



部活で汗かいて全部忘れよう…。



基礎練習に
シャトルランに
シュート練習に
パス練習に
1オン1に
紅白試合

やっぱり本気になっちゃうのは根本の問題。



「おつかれ〜!」



と、優子からタオルをもらって

友美はボールを拾っている。



いつも通り。



汗をかいた身体…風邪引かないようにって…

友美が替えのTシャツをくれた。



「ありがと。」



「ううん。」



「暗くなっちゃったから送ってくよ。」



「うん。」



放課後の部活の後
暗くなった外を歩いて帰る。

校舎を出る瞬間



「ともちん、ちょっと良いかな?」



振り向くと才加が立ってた。



「ごめん、友ちょっと行ってくる。」



そういって友美はアタシの手を離した。



「玄関で待ってる。」



そう言うと友美は頷いて才加の方へ歩いて行った。



すると
佐江も帰る用意を済まして玄関にやってきた。



「智もマネージャーになれば一緒に帰れるのに〜。」



「智美はムリだよ。」



「え?なんで?」



「1年の時誘ったらイヤだって言ってた。」



「え〜。じゃあ今度は佐江が頼んでみようかな〜。」



「言ってみたら?

 恋人が言うのとただのお隣さんが言うのじゃ違うんじゃない?」



なんてまた

佐江に気を使ったような返事をしてる。



…大っキライな自分。


   
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