Dear my teacher

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カチカチと
パソコンのキーボードを打つ音で目が覚めた。



「ごめん。起こした?」



「ううん。」



「まぁ、そろそろ起きるべき時間だけどね。」



「え?」



その言葉に携帯を開くともう夕方だった。

ヤバ…。
寝すぎた…。
お昼も食べてないや…。

それにバイト…。



智が立ち上がると
先生も立ち上がった。



するといきなり近づいて来て…



背の高い先生のネクタイが目の前にあった…。



何が起きているのかわからずにいると



急にその胸に抱きしめられた…。



なんで…?
意味わかんない…。



ネクタイを止めている
銀のネクタイピンが頬に触れて冷たい…。



でも…それがイヤじゃなかった…。



背中に回された腕と
智の髪をなでる指先…。



「仕事…行くのか…?」



「…うん。」



「行くなよ…。」



先生のその言葉の意味がわからない…。

ううん、単純になら理解できるのかもしれない。

でも先生だから…
どういう意味で言ってるのかわからなかった…。



   
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