Dear my teacher

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あれから毎日
学校の放課後に先生のいる病院に通った。

先生に言われた通り
きちんと学校に行って授業を受けてから。



毎日毎日会うたびに先生の元気がなくなるような気がして
それを紛らわすように
いつもいろんな話をして
いろんな話を聞いてもらってた。



「智美…今日は少し寒いな…。」



そう言った先生の眺める目線の先の外は
温かくよく晴れた空だった…。

春の暖かい季節…。

先生と出会ってからもうすぐで1年がたつ…。



「そうだね。」



そういって先生の話に言葉を合わせる。



すると先生はベッドの中で少し体を横にずらした。

そして開けたスペースを手でポンポンとたたく。

智は先生のそのしぐさに
少し嬉しくて
その少し開けてくれたスペースに腰をかけた。



先生の手の上に智の手を重ねる。



先生の手は思ったより温かくて
それが妙に切なく感じた…。



「もっと近くに来てくれないか?」



先生の言葉…



だから智はそのベットの中に一緒に入って
先生の腕の横にくっつくように寝ころんだ。



「智美は温かいな…。」



そう言って先生は小さく笑った。



こんなに近づいたのはどれくらいぶりなんだろ…。



凄く懐かしい気がして
何だかドキドキしていた…。

   
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