Dear my teacher

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コウが
5歳の誕生日を迎えた。

やんちゃで手のかかる男の子だけど
先生に似て優しくて
いつも智に

「ママ!ママ!」

ってキラキラした笑顔で話しかけてくれる。

シングルマザーは大変だけど
先生がくれた大切な命だから
智はこの子を一生大事に守ってくって決めたんだよ?

誰に反対されたって
智は一人でこの子を大人になるまで

ううん、
きっと大人になっても大事に育みたい。



そんな風に思う。



だけどそんなある日
コウが体調を崩して
高熱が続いて

病院で検査を受けることになった。



「ママー…。」



って苦しそうな声で
智の手を握り締めるコウに



「大丈夫だよ?ママがいるからね?」



そう言うことしか出来なくて。

それでも

きっと良くなる。
なんでもない。
大丈夫。

って自分に言い聞かせていたのに



医者からの言葉は残酷だった…。



何万人かに一人の病…。

治る見込みは少なくて
手術をしても
助かるか分からない…。



そう告げられた言葉に

目の前が真っ暗になって
涙が溢れて止まらなくなった。



「お母さんがしっかりしないと!」



なんて
医者に言われても

智には何もしてあげられなくて
無力で…。

どうする事も出来なかった…。



神様は不公平だと思った。



なんでいつも

智の大切な人を奪うの…?



手の届かない場所へ連れて行くの…?



智がなにをしたって言うの…?

 
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