秘密の果実

□秘密の果実
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真っ青に晴れた空

春の暖かな風が髪をさらってながれていく。



ウチたちは3年生になった。





「コウ!何組??」



「B組ー。」



「おぉ!才加もB!!」



「え?友もBだった!」



「佐江も!」



「梅も!」



「高橋もッス!」



「有華も!あと夏希も!!」



誰かが仕組んだんじゃないか?
っておもうようなクラス編成…。



「あと来てないのは智とあちゃんか〜。」



友がチョット不安そうな顔で2人をまつ。



この学校は普通の学校とは違って
校舎の前にクラス割を張り出さずに
春休み中に郵送でクラスの組が書かれた紙が送られてくる仕組み。

だから学校に行く直前まで
誰が同じクラスなのかわからないんだ。



「あっ!智とあっちゃん!!」



「何組??」



「智はぁ〜B!!」



「あたしもB。」



「マジで?!友たち全員Bじゃん!!」



「嘘?!」



嘘のような事実…。

これは絶対に誰かが仕組んだだろう。



「コウもB?!」



智が問いかけた。



「うん。Bだよ。」



「よかった!また一緒だね!」



「うん。ホント、よかった。」



内心凄く良かったって思ってる。

心のニヤニヤを押さえるのが必死。



教室に着くと席順が書かれた紙が黒板に貼られていた。



「あれ?出席番号じゃないんだ。」



才加が漏らした疑問。



そう、そこに書かれていたのは
ランダムに並んだ名前。



「よっしゃ!窓際一番後ろっ!!」



自分の名前を見つけて思わず歓喜!!



そして智の名前を確認する…。



「横じゃん!」



「コウの横だ!!」



お互いにハイタッチをした。



「最悪…。」



友が不機嫌そうに呟いた…。



”板野”という文字が
ウチの席の前に書かれていた。



「なんでコウと智のイチャイチャを

 間近で見なきゃいけないんだよ!!」



「別に見なくってもいいじゃん!

 後ろなんだから!!」



「気になるじゃん!!」



いつもの友との言い争いに



「うるさい!!」



と才加が一喝…。



そういう才加もちゃっかり
たかみなと隣の席だし。



というか良い具合にいつもつるんでいる仲間が
後方窓際に集まっていた。



「このクラスヤバイし席もヤバイね!」



嬉しそうに佐江が言った。



うん、ホントこのクラスヤバイと思う。



   
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