チユウと恋したら…

□チユウと恋したら…
1ページ/3ページ


コウくんはホントにトモのこと好きなのかな…。





ううん。

愛されてるなって思うよ…。

だけど…。





「コウとなんかあったの?」



ともちんが飾り替えたばかりのネイルを眺めながら
爪に息をフッと拭きかけた。



「なにもないよ…。」



「ふ〜ん。じゃあなんでともの家にいるわけ?」



「…。いいじゃんともちんの家に来たって。」



「別に良いけどさ。

 部屋の中汚さないでよ?」



「なにそれ〜ヒドイな。」



そのまま
またしばらくともちんはネイルの手入れを始めた。

やっぱりともちんはおしゃれだな〜。



「なにかあったんでしょ?」



気だるそうな言い草で呆れたようにトモに問いかけた。



「なんにもないって…。」



「それならそんな顔しないでくれない?

 気になるから。」



ともちんに言われて気付いた…。
トモ、今ヒドイ顔してる…。

ともちんはネイルオイルをテーブルの上にコトンと置いて
頬杖をついた。



「ともに言えないようなこと?」



トモは黙って首を横に振る。



「なにかあるなら言ってよ。

 親友でしょ?

 とも、親友が悩んでるのほっとけないから…。」



ちょっと照れくさそうにともちんはこっちを見た。

そういうともちんにいつも甘えちゃうんだ…。



「トモって魅力ないのかな…?」



「へ?!」



ともちんが凄く驚いたような顔をした。

その瞬間
トモがおかしな質問をしたんだって気付いた。



「やっぱいい!なんでもない!」



ムリに笑って見せたけど
ともちんの表情は真剣だった。



「コウになにか言われたの?」



「ううん。違うよ。

 違うんだけどね…。」



なんて言ったらいいんだろう…。

頭の中で言葉がまとまらないまま口だけが話し始めた。



「コウくん…コウはね…

 ホントにトモのこと好きなのかなって。」



ともちんはそれを真剣に聞いてくれた。



「愛されてるなって思ってる…。

 だけど…。

 だけどね…。」



今度は言葉より先に涙が溢れそうになる…。



「ホント、チユウはコウのこと好きなんだね。」



ともちんが目の前で微笑んだ。



「…うん。」



「それなら良いじゃん?」



「え…?」



「チユウがコウのことを好きで

 コウはチユウと一緒にいてくれる。

 それで良いじゃん?」



「でも…。」



「でも?」



「トモが思ってるよりも

 コウにはトモを好きでいて欲しい…。

 これってワガママかな…?」



「…。」



「トモは…

 トモはね…

 キスだってありだと思ってる…。」



自分の顔が赤くなってのがわかった。



「それなら求めるばっかりじゃダメだよ?」



ともちんのセリフ…。



そうだ…トモは求めてだっかりだ…。



ともちんのセリフにただ頷くしかできなかった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ