Series B

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「この前言ってた

 キミの遺伝子配列の話…。」



そういって篠田さんは話を切り出した。



「キミの遺伝子配列を調べたら

 おかしなこと…

 いや、凄いことが分かった。」



その話を黙って聞く。



「普通の人間は

 遺伝子の配列の中に一切使われていない

 無駄なものがたくさんあるの。

 でもね、

 キミは違った…。

 キミの遺伝子構造

 DNA配置はね

 全て何らかの意味と役割を持ってる…。」



全く言っていることはわからないが…
普通の人間とは違うってことはなんとなくわかった。



「キミのキズやケガが早く治る理由もこれ。」



「は、はぁ…。」



「急に言われてもわかんないよね…。

 ん〜何と言うか…。」



そういって考え込んでしまった。

そして



「単刀直入に言う…。」



と、なにかを決断するように



「あたしたちには

 キミが必要なの!」



と、オレの目を真っ直ぐ見て力強く言い放った…。



「あたしはキミをずっと探してた…。」



縋るような声…。



オレが必要…?
オレを探してた…?



言っていることが何ひとつわからない…。

オレは相当悩んでいる顔をしていたんだろう。



「ごめん!こんなこといきなり言われてもわからないよね。」



と、いつも冷静な篠田さんが少し焦っていた。



「キミにはきちんと説明する必要がありそう…。」



そういって篠田さんは話し始めた…。



   
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