Series B

□8
2ページ/3ページ



「…鬼ごっこしよ?」



そう言うと
篠田さんはオレの足につながれていた鎖をはずした。



「もし今あたしがキミを逃がしたら

 あたしはどうなるか…。

 だから、キミが逃げるの…。」



そう言って少し悲しそうな笑顔…。



「あたし達にはキミが必要だった…。」



その言葉…。



「必要って何なんですか?!」



思わずずっと聞きたかった質問がのどを突いて出た。



「…。

 キミの遺伝子が欲しかっただけだよ。」



そう言って目も合わせずに部屋を出て言った…。



部屋の扉が音をたてて締まる…。





「コウ!1人にしないで!

 おいてかないで!!」



さっきの話を全部聞いていた智美がオレに抱きついて離れない…。





「なぁ…智美…?

 自由って知ってる…?」



「うん!知ってる!コウが教えてくれた!」


  
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ