青春の稲妻

□4
2ページ/4ページ



自転車を走らせて家に帰ると
見知らぬ女性がいた…。



「おかえりなさい。」



そう言った篠田さんの横に立つ
髪の長い篠田さんと同じくらいの身長の女性。

キョトンとした顔で見つめられる。



「た、ただいま。」



「昨日連絡なたっかったから心配したんだよ?

 でもよかったぁ〜。」



なんて心配されてる…。



でも、その知らない女性は一言も話さない。



というか、父親もいないしアタシもいない家に他人を連れ込むのはどうかと思う…。



「すいません。連絡しなくて。」



そう言って部屋にカバンをいて
再び家を出た。

だって、
なんか気まずい…。

知らない人ばっか…。

自分の家なのにそうじゃない感じ。



家を出て近くの公園のベンチに腰掛けた。



そう言えば新しいIPhoneの設定が
まだ全然できてなくて
思い出したようにそれをいじり始めた。

でも、全然設定できない…。

イライラする…。



色んな事にイライラする…。



自分の家なのに居場所がなかった。

梅ちゃんにはいつも悪いことをしてるのに甘えてしまう。

友美はそんなアタシと梅ちゃんの事を知らないし。

…。



こんなフラフラしてる自分が嫌いだ…。



「あぁ〜!クソっ!!」



イライラしてつい声を出してしまうと



「コウ?こんな所で何してんの?」



と声をかけられた…。



アイツの声か…。



「智美…。別に関係ない…。」



「何かイライラしてるね…。

 なんかあった?」



「別に…。」



智美は何でもわかったようなフリをする…。



「ふ〜ん。ならいいけど。」



といって何故かアタシの隣に腰かけた。



「IPhoneにしたんだ〜。」



「まぁね。」



「もしかして設定できてないとか?

 やってあげようか?」



「お前に出来るわけないじゃん。」



「は?心外だなぁ。

 ちょっと貸してみて。」



そういって手の中から勝手に持って行かれた。



「できないよ絶対。」



そう言っている間にも智美は何故かサクサクと設定を済ませて

ものの5分で
手の中に戻された。



「あ、ありがと…。」



「やっぱ智の方が天才だ!」



「うっさい。」



「ちょっと汗臭くない?

 家帰ってないの?」



急に智美がそんなことを言いだした。



家には帰ってないけど…
昨日風呂入ったし…

自転車こいできたからかな…?



「汗臭い?そうかな…。」



「どうせ帰らないなら家でシャワーでも浴びてけばいいじゃん。

 隣なんだし。」



そう言われて
智美の家に向かっていた。



そう言えば智美の家に行くのも久々なきがする。


   
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ