青春の稲妻

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===== Ayaka =====


何やってるんだろう…。

コウに電話なんてかけて…。



あたしはコウの1番にはなれないのに…
なっちゃいけないのに…



電話なんてかけなきゃよかった…
留守電なんて残さなきゃよかった…

コウを好きにならなきゃよかった…



意味わかんない。

あたし…泣いてる…。

バカみたい…。





”ピンポーン”

と玄関のチャイムがなった…

まさか、と思った…。



こんな泣き顔見られたくない…。

1番見られたくない相手…。



必死に涙をぬぐったって
目が赤いし、顔もぐちゃぐちゃ…。

でも
玄関の前のその姿に
さらに涙が溢れて止まらなくなった…。



「コウ…。」



コウが来てくれるなんて思ってなかった…。



「梅ちゃん…?大丈夫?

 声聞かせに来たよ!」



なんて笑って
年下のくせにあたしの頭を撫でた。



そしてコウの背中越しに
玄関の扉がガチャリと閉まった。



2人の世界…。



コウはズルいよ…。

コウがこうやって時々
大人のふりをするから
あたしはコウをどんどん好きになる…。



すがりつくように抱きついたコウは
思っていたよりも
息が切れていて暖かくて
きっと
急いで来てくれたんだと思う…。



コウに回した腕を引き寄せて
キスをした…。

そういえは、
いつもキスをするのはあたしからだ…。



コウはそのキスに応える。





ダメだ…

あたしどんどんダメになってく…。



「…っコウ!

 帰った方がいいよ!

 ほら!明日学校でしょ?」



自分から抱きついたくせに
コウの体を押し返していた。

コウは不思議そうな顔…。



うん、そうだよね。



呼び出すような電話して
帰れなんて理不尽だよね…。

でもこうしないと

止まらなくなるから………。



*
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