青春の稲妻

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佐江とは仲の良い友達
言うなれば親友って関係でいたって不快ではない。

なのに、最近うわべの会話ばっかりっだ…。



佐江の智美との惚気話を聞きながしていると
友美が戻ってきた。



「お待たせ〜。帰ろう?」



「うん。」



アタシは友美の手を取って校舎を出た。



別にどちらかが話をして盛り上がるわけでもなく
いつものように
友美は携帯をいじりながら
その逆の手を握ってただ隣を歩くアタシ。



不意に友美が携帯を閉じて歩くのをやめた…。



「どうしたの…?」



振り向いて友美を見る。



「才加に告白された…。」



「そっか…。」



「驚かないの?」



「だって知ってたし…

 才加が友のこと好きだって…。」



「そうなんだ…。」



そしてまた歩きはじめた。



なんて返事したの?

なんか聞けなかった。

もし友美がOKしてたとしてもそれを責めることはできない。

だって
自分だって同じようなことしてるんだから…。

でも、
気にならないわけじゃないよ…。

アタシの恋人は友美なんだから…。



今度はアタシが歩くのをやめた…。



「コウ…?」



そして振り向いた友美にキスをした…。



道路の真ん中で

アタシは友美の身体を抱き寄せて唇を重ねていた…。



それに反応して友美もアタシの背中に腕をまわした。



「コウはバカだなぁ…。

 友はコウが1番なんだから…。」



1番…1番か…。



ちょっと引っかかる友のセリフ…。

でも今はそれを受けいるしかなかった…。



だって…好きなんだ…。

やっぱり

好きなんだよ…。


   
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