青春の稲妻

□10
2ページ/4ページ


===== Ayaka =====


久々にコウに逢った。
こないだは来てくれたのに強がりで家に帰しちゃって…。

だからもう逢いには来ないだろうなって
思ってたのに…。



でもコウの様子がおかしいことは
スタジオに来た時からわかってた…。

目が真っ赤で
寝不足だなんていってたけど
すぐに嘘だってわかった。



コウはずっと元気がなくて



玄関を開けて家に中にいれたら

急にコウが泣きだして…。



どうしたらいいかわからなかったけど

正直うれしかった…。

だって

あたしの前で泣いてくれた…

きっとみんなの前じゃ泣けないからって

あたしの前だけで泣いてくれたんだって思ったから。



だからあたしはそれを抱きしめた。

それしかできないから抱きしめてあげた。



でも…

その涙の理由は…やっぱり聞きたくなかった…。



分かってる…あたしは1番じゃない…。



コウは泣きながら、怒りながら、笑いながら、

情緒不安定な感情を投げ捨てながら

涙の理由を話してくれた…。



やっぱりあたしはそれを受け止めるしかなかった…。



泣き疲れて眠ったコウを置いて学校に行くのは心配だった…。

コウが感情を乱したのをはじめてみたから…。

どうなっちゃうのか心配してた…。



でも帰ってきたら
思ってた以上の事をやらかしてて

笑っちゃった。



携帯水没させてるなんて思わないもん。普通。



高校生の必須アイテムでしょ?



それにコウは子供みたいに縋りついて
離れようとしない…。



昨日は黙って外泊して
今日も夕方までここにいて…

高校生なんだから一回家に帰らせなきゃと思っても
言うこと聞かない…。



こんな子供なコウは初めてだった…。



コウのせいで
あたしはどんどんダメになっていったのと同じ…。

次は
あたしのせいで
コウがどんどんダメになっていく…。



*
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ