チユウと恋したら…

□チユウと恋したら…
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移動手段は…。



50ccのスクーター。



シートの下から予備のヘルメットを取り出してトモに渡し
トモの荷物を受け取ってそのシートの下に入れる。



「スクーターの2人乗りってダサい…。」



トモの一言が意外にグサりと刺さった…。



「これしかないんだから…仕方ないだろ。」



「え〜!しかもヘルメットかぶったら

 髪の毛が〜!」



「文句言うなよー。じゃあデート止める?」



「それはいや!!」



「じゃあ黙ってついてくる!」



「わかった…。

 なんかうまく丸めこまれた感じ…。」



トモは文句を言いながらも
オレの後ろにまたがって両腕を腰にまわした。



走りはじめると
トモの体が背中に密着した…。

トモの髪の香りがする。



なに赤くなってんだ…オレ…。



「どこいくの?」



「なに?!ごめん!聞こえない!!」



「ね〜え??

 どこ行くの〜〜〜??」



「秘密だって!!」



「目的地を言わないってことは〜!

 誘拐と一緒なんだからね〜〜〜!!!」



「何言ってんだよ!!」



「わ〜!

 誘拐!誘拐!!誘拐〜!!!」



「ちょ!!止めろよ!!

 みんな見てんだろ!!」



「はははっ!!」



トモの楽しそうな声になんとなく安心した。
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