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□おとなりさん
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コンコン
部屋の“窓”
が叩かれる。
俺が窓を開けると、
『あ、蓮二いた』
こいつは俺の幼なじみ
部屋が隣。
建物は違うがな。
窓越しに話したり
窓越しに部屋に入ったり
日常茶飯事だ。
そしてこいつは俺の彼女。
「なんだ?」
と聞くと
『明日なんの授業ある?』
おれは伝達されたことをそのまま伝える。
『ん、ありがと』
名前は風呂から上がったばかりのか
髪が濡れている。
「名前、
ドライヤーをもってこっちにこい。
俺が乾かす 」
というと
『いいのっ?
蓮二に乾かしてもらったら髪落ち着くんだよね』
可愛いことをいう。
俺が胡座をかき、その中に名前を座らせる。
暫く乾かしていると
『あ―気持ちいい―』
と、うとうとしながら名前がいう。
名前がこのまま寝る確率86%だな。
おばさんにメールしておくか。
考えていると
名前は本当に寝ていた。
俺は布団に名前を寝かせ、横になった。
無防備なやつだな。
「名前、愛している」
気づかぬうちにそう発していた。
だが名前は眠ったままだ。
俺はフッとわらい、
目を閉じた。