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□暖かいブレザー
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『っくしゅん』

寒っ!!まだ9月だよ!なんでこんなに寒いの…
今日に限って図書当番だし…

誰も来ないし。

ガラッ

人が来たね。だーれだっ
…Σ!

柳くんだ。相変わらず美人なことで。

「これを返却頼む」

わっ。いつの間にか目の前にΣ

『あっはい』

パソコンを触り、返却手続きを済ませた。

『では、もとの棚に戻しておいてください。』

と本を渡した。

「ああ」
なんか難しそうな本…

まあ歩く辞書とまで言われてるしね。

気付けば柳くんがこちらを見ていた。
『どうかしました…?』

「寒いのか…?」

『えっ?』
なんでわかったんだろ…

震えてもいないはず……

「唇が青くなっている。」

そうだった…私唇色かわりやすいんだ……
『大丈夫だよ』

その瞬間

ふわっ

なにか肩にかけられていた。

よくみると男子のブレザーだった。


「着ていろ。少しはましだろう」
柳くんが今まできていたから暖かい。

『ありがとう…でも柳くんが…』

「俺は大丈夫だ。部室に行けばジャージに着替えるからな。

『ありがとう、じゃあ柳くん部活終わる頃に、テニスコートの近くに行くね』
「ああ」

あ!今日は友達にあげるクッキー余ったんだ。お礼にでもなるかな。

バッグからクッキーを取り出した。

『柳くん、これお礼に』

はいっと差し出した。
「いいのか?すまないな、ありがとう」

と言って受け取ってくれた。良かった。

『じゃあ部活がんばってね』

柳くんは図書室から出ていった。
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