Silver/Soul

□逢引習慣
1ページ/2ページ



とある小さな貸家。そこで、たった一人で待っていた人物。
包帯と、派手な着物。


「随分早いじゃん」

「てめぇが遅ぇんだよ」

「ひどーい」


靴を脱ぎ窓の淵に座る彼のもとへと歩み寄った。


「いいのかよ、こんなとこで逢い引きしてて」

「うん、まずい」

「言動と行動を矛盾させんな。最近頻度も高ぇしよ」

「英雄色を好むっていうっしょ?」

「お前のは只の浮気だ。お前の姫はこういうの、いけるクチか」

「姫ってどの?心当たりが多すぎて解んないんだけど。
 それに嫉妬してくれるってのは気分が良い」

「…さっさとフラれろ」

「はいはい。じゃ、いい?」

「ケダモノ…」

「あんたもね」


晋助の包帯をゆっくりといて、両目を隠すよう結び直す。
着物の帯を解いて、両手首に結びつける。


「いっ…。優しくしろっ」
「興奮するっしょ?」

「変態っ」

「だから、あんたもね」


派手な着物に腕を通しただけのほぼ全裸になる。

晋助の両腕を縛っている帯紐の余りをつかんで思いっきり引っ張ると、また少し痛がった。


「あ、布団敷かなきゃ」

「先にしろよ…」

「晋助可愛いからつい手が、ね」

「ね、じゃねえ。別に畳でもいいじゃねーか」

「えーっ、痛くない?あ、マゾ??」

「てめぇと違って、慣れてんだよ。そんなことより…」


もう待てねぇんだよ…

帯で結ばれた両腕を器用に私の頭上に突き立て私を畳の上に押し倒し、耳元で囁いた。


「何ソレ反則…」


ガッと彼を押し倒し返す。

「今日はやけに素直じゃん?」

「お前曰く、俺は淫乱さんだからな」

「本当そう思う。だからって―」

「てめぇ以外で俺が啼くわけないだろ」

「とか言ってー」


晋助は穴が小さいから、指一本から始める。
二本から始めたら結構本気で痛がられ泣かれたから。

唾を指に存分に絡めて、無防備な後ろにゆっくり突っ込む。


「潤滑ざっ…塗、れ馬鹿っ」

「遠い。手の届く範囲に無い。急かしたくせにそりゃないわ」

「ちょ、ぁ…」


晋助は一番開発が進んでるから、一番感じる。
指を入れて軽く掻き回しただけでこれだ。

包帯の下で眉間に皺を寄せ、顔を真っ赤にし、縛られた腕を私の背中に回す。


「感じすぎ。やっぱり、淫乱」

「っるせ…。んっ…!」

「完勃はやっ。てかイくの?イく??」

「やばいっ…」

「…」

「ぁ…、あっ…ぅ――んっ」


指を引き抜き、深い口付けをする。
舌を絡めとり、歯列ををなぞり、吸ったり、
吸われたり。可能な限り厭らしく。

晋助の口から零れた唾が頬を伝って、畳にシミを作る。


「んっ…、ん…ぅう!!」


空いた手で、胸の飾りを弄る。
晋助は割と、よく感じる。


「利之っ、…ォ、ふっ…イ―んっ…イっ―あ!!」

「良いよ…。イけよ、淫乱」
「ぅるさっ…い、いぁ―ぁあ!!」


指先で先端を軽く引っ掻いてやれば、あっさりと果てた。


「…濃っ!」

「うっせぇっ!俺は、お前無しじゃイけねぇんだよ」

「なにそれ。一人でしないってこと?」

「大体は・・・」

「…」

「…」

「晋助、後ろのが感じるんだ」

「ぁ"あ"?」

「だから上手く一人で出来ないんだ」

「〜っ!悪かったなっ!!」

「一人で出来ないとか、溜まるでしょー」

「気が狂いそうなくらいなっ!」

「ソレ超やばい」

「いいから続けろ。訳は解ったろ、溜まってんだよ!」

「悪い、今日は加減全く出来ない」

「…じょ、上等だ」


お互いにニヒルな笑みを浮かべた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ