Short
□お互い様
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※注 夢主の一人称は俺で言葉遣い荒いです
因みに円堂とは幼なじみ
〜名前Side〜
「名前!」
守がまたいつものウザいくらい煩くて明るい声で俺を呼ぶ。
仕方なく振り返った。
「あ゛?」
「呼んでみただけー!」
「ふざけんな。俺は忙しいって、いつも言ってんだろ。」
幼なじみ守じゃなかったら振り返ってすらやんないのによぉ。
「いいじゃん。本当は暇だろ?そうだ!一緒に帰ろうぜ!」
「勝手にしろ。」
それだけ言って俺はさっさと帰路に着いた。
どうせ守の事だ。
勝手についてくんだろ。
というよりも、家が近いからどのみち一緒に帰ってるみたいになるに決まってる。
「なぁ、名前。何でいつもそんなに不良ぶってんだ?」
「不良ぶってんじゃなくて不良なんだよ。」
アホか、コイツ。
「でも昔は普通に可愛かったじゃん。」
「それ遠回しに今の俺は可愛くないって言ってんだろ。悪かったな。」
でもその言葉に納得する自分がいる。
今のいつも睨んでチャラチャラしてる私なんかよりは、昔の素直で明るい私の方がよっぽど可愛いな。
「そんなつもりで言ったんじゃないんだけどな…」
守は頬を掻いた。
「名前」
突然守の声が低くなった。
うっかり俺は慌てて守の方を見てしまった。
「な、何だ…よ?……プッ」
ついつい、噴いてしまった。
俺、守の変顔に弱いんだ。
「ククク…アハハ!バッカじゃないの!?」
「やっと笑った。」
「え?」
チュ
「なぁ!?」
びっくりした。
だって守がほっぺに……キスなんかしてくるから。
「やっぱ名前は笑顔の時が1番可愛いな!」
守は太陽みたいな笑顔を見せた。
それは守だって同じなくせに。
お前の今の笑顔、キラキラしてるぜ?
お互い様
(嬉しいと思う自分がいるなんて守には絶対言えない。)