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□壊れた関係
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〜源田Side〜



俺は誰にも言えない秘密を抱えている。
これを言えば、俺はきっとたくさんの人に引かれ、大事な人を失うだろう。
でもたまに言ってしまいそうになる。
1番打ち明けてはいけない   実の姉、名前に。







ガチャ



名前(普段名前を呼ぶ時は姉さん)が帰ってきた。
朝、機嫌良さそうにおしゃれしながら出ていった事を考えると、恐らく彼氏とデートしてきたのだろう。



「お帰り、姉さん」


「幸次郎ぉっ!」


「っ!?」



名前は俺を見るなり突然抱きついてきた。
しかも何だ?
この人びしょ濡れじゃないか。



「お姉ちゃん、フラれちゃったよぉ〜〜〜!」



ドクン…



鼓動が波打つのが解る。
フラれたって事は今、名前はフリーって事か?



「もうヤダァ…何でみんな自分から告白しといて先に振ってくるのぉ?」



そりゃ名前がガキ臭いからだろうな。
名前は普段普通の高3っぽく振る舞ってるけれど、実際仲がよくなるとこれだ。
容姿がもともと大人びていて艶っぽいだけに元彼どもはそのギャップについていけなかったんだろう。



「ホント何で……?」



今にも消え入りそうな声で呟く名前。
この人は何もわかっちゃいない。
その声や仕草が俺にとってどれだけ毒なのかを。
そしてビショビショになって透けた服。
いくら相手が弟だからって…。


俺は名前を床に押し倒しキスをした。



「こぅ…じろ?」


「好きだ姉さん…。もうそんな奴らなんかやめて俺にしないか?」


「え…?何…言ってるの?」



俺はゆっくり名前の服を脱がしていく。



   ッ!!やめてッ!!」



パァン!



乾いた音が響き渡った。
ふと我に帰る。



「やめなさい、幸次郎。そんな事したら私達2度と元の関係には戻れなくなる。私はそんなの嫌。だからやめなさい。」



名前は俺を睨みつけた。
初めて見た。
こんなに怒った名前の顔。
だいたい名前が人前以外で、こんなに姉らしかったことが今までにあっただろうか?


俺が唖然としていると名前はスルリと俺の下から抜け出して2階へ上がった。
恐らく自分の部屋へと向かったのだろう。


俺は取り返しのつかない事をしてしまったみたいだ。






壊れた関係
(もう元には戻れない)






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