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□どーる
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〜名前Side〜



鬼道様が遠くから歩いてくるのが見える。
ってことは総帥との話は終わったんだ。



「ありがとう、苗字。あとは練習後の片付けだけだからベンチで休んでいるといい。」


「大丈夫です。私のような未熟なマネージャーがベンチに座るなど恐れ多い事。私はコートの外から見学させていただきます。」


「お前が未熟?フン、笑わせる…。未熟どころか完璧すぎて怖いくらいだ。」



鬼道様は皮肉げにそう言う。
でもね、鬼道様。
完璧な人間なんていないんだよ。
貴方や総帥でさえ、完璧じゃない。



「…貴方のようなお強い方が私に恐怖するというのですか?」



悪戯心が湧いてきてそう尋ねてみた。
すると鬼道様はそれを鼻で笑った。



「俺が強い?それもまた笑わせる。俺はまだまだ上へ行けるぞ。」


「そうですね……貴方はまだ上へ行ける。」


「!!」



鬼道様は驚きを隠せていなかった。
そりゃそうだよね。
私はいつだって鬼道様を褒めてばかり。
こんな“貴方はまだ下手くそ”とも取れるような発言は一度もした事がなかったもん。



「今の鬼道様のサッカーは楽しさに欠けています。もっと…見ている方まで楽しくなるサッカーができるはずなんです。」



なぜか私はそれを確信している。
不思議…。



「見ている方まで楽しくなる、か…。懐かしいな。」


「なぜ懐かしいのですか?」


「言わない。どうせお前は覚えていないんだろう?」



鬼道様はそう言って教えてくれなかった。


総帥には、鬼道様とは馴れ合うなと言われているのに…。
つい聞きたくなってしまう。
話してみたくなってしまう。


ごめんなさい。
何に対してかわからないけどごめんなさい。


マネージャーには感情などいらないのに、
鬼道様を愛してしまってごめんなさい。




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