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□行動<言葉?
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〜風丸Side〜



苗字名前は前に所属していた陸上部の後輩だ。
明るくて気さくな性格で容姿もまあまあ。
だから女子から好かれるし、苗字が好きな男子も少なくない。
いや、俺も苗字を好きな男子の1人なんだが。


陸上部にいた時はずっと俺の事を慕ってくれてたけど、それが女としてなのか後輩としてなのかは解らない。
ただ確実に言えたのは苗字はできた後輩だという事だ。
自分の種目じゃない種目の道具の準備とか、友達のサポートとか、先輩の手伝いとか。
そういう気配りはとても良かったし、実際タイムも速かった。


俺がサッカーか陸上かで迷った時も、苗字は「宮下の言う事は気にしないで、風丸先輩は風丸先輩の好きな事をしてください。」と言ってくれた。
イナズマキャラバンを降りて、ここに独りで戻ってきた時も「お疲れ様です」とだけ言って深く聞いてこなかった。
それがどれだけ俺にとって救いになった事か。


だから俺はそんな苗字が好きだし、できる事なら手に入れたい。



「モテるな、風丸」



豪炎寺が突然話し掛けてきた。



「またあの子と話してただろ?お前も風上に置けないな。あんな一途で真っ直ぐな子に好かれるなんて。」


「別に苗字はそんなつもりじゃないと思う。俺の事、普通に先輩としか見てな…」


それはないと思う



俺の言葉を遮って否定したのは、意外にも円堂だった。



「苗字、ダークエンペラーズ戦見に来てて、風丸が元に戻った時…泣いてた。」


「……え?」



泣いてた、だと?
俺が、泣かしたのか?



「俺、苗字って風丸の事好きなんじゃないかって思うんだ。」


「俺もそう思う。それに風丸はあの子の事、好きなんだろ?」


「そ、それは…///」



何でバレたんだ?
俺ってそんなに解りやすいのか?



「告白しちゃえよ。きっとOKされるぜ。」



円堂が俺の二の腕を肘でつつきながら言う。
確かにこのままでいても他の苗字が好きな男にとられるのが落ちだ。



「……そうだな。円堂、豪炎寺、ありがとう。俺やってみるよ!」


「おう!頑張れよ!」


「ああ」



俺は気合いを入れてナポリタン作りに取りかかった。
とりあえず、カッコ悪い所は見せたくないからな。
苗字に喜んでもらえるといいな。
…って女々しいか(笑)




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