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□ソイツは天然
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〜南雲Side〜



エイリア学園が崩壊してから1ヶ月経った。



「南雲ー!」



大声で呼んでくるのは、同じお日さま園で育った名前。
エイリア学園の時は俺のチームのプロミネンスの一員だった。


  「バーン」


そう呼んで笑いかけてくるアイツが今でも脳裏に焼きついている。

上下関係がはっきりしているのにも関わらず、名前は俺をエイリアネームで呼び捨てしてきた。
だからエイリア学園が崩壊しても、また昔みたいに名前で呼び捨てしてくるものだとばかり思っていた。
なのに何故かアイツは今、俺を苗字呼びしている。
腑に落ちねぇ。



「南雲、サッカーやろーぜ。」



名前は不敵な笑みを浮かべる。
勝てるって顔だな。



「……やだ。」


「はぁ?やろうぜ?南雲サッカー好きだろ?」


「それとこれは別だ。」


「何が別なんだよ?」



ホント解ってねぇ、コイツ。



「…………もしかして俺が弱いから?」


「はぁ?」



突拍子もなく変な事言い出すから名前の顔を見れば、名前は泣きそうだった。


何でそんな結論に辿り着くんだよ。
さっきまで自信満々な顔してたくせに。
俺にはアンタの思考回路が理解できねぇよ。



「やっぱりあたしじゃ弱くて相手にならないよな。やってもつまんないよな。悪ぃ。」



名前はそう言って、目を擦りながら走っていった。


意味わかんねぇ。
つまらない、って…。
名前の実力は俺と張り合えんのに…。




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