白い魔女来る!

□序章
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『私の…大切なものを任せたよ…。』






私の手を握る彼の手のひらは、弱々しかった。







『お前にならきっと守れる。仲間が支えてくれるさ』








ほんとかな、

そう小さく呟いてみせると彼はいつもの優しい笑顔で答えてくれた。








彼の息の根が止まったのは、
あれから数時間後だった。











雪が、
雪が降っていた。









手のひらに落ちた雪は
すぐに溶けて無くなってしまったように

人の命とは
こんなにも虚しく儚い
ものなのか









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