捧げ物
□溶けるまで
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困った。
何が困ったって、
いや、とけてる。
全身が。
何この現状。溶けてるよね。解けてるじゃなくて溶けてるよね、コレ!!
いきなり目の前に、うん。目の前に人がね。巨大な人が。
可愛らしーく、
できた!!
なんて、笑顔で言うからときめいちゃったよ。不覚!!
そして私、(アレ、私?俺?…私でいいか)を掌に乗せて走り出した。
うわあっつ!何この下の温度!あわわわ。
…そして、困った。人の手ってあったかいんだね。おかーさん。(いやいないけど。)
余熱なんだろうけど、体の下があったかい。故に溶ける。
だって私は雪よ雪!!赤いお目々に緑の葉っぱの雪うさぎさん!!
いや溶けるて!
そんな現在、お盆の上に乗せられた私を穴があきそうな程見つめてらっしゃるのは
これまた美形なお兄さん。
私を作った人が斎藤さん、って言ってたから斎藤さんって人なんだろう。
痛い。
視線が。
全身に針が刺さっているようです私!
縁側に置かれているから丁度いいと思いきや!
“斎藤さん、寒いのでお茶をどうぞ”だなんて、
何あの子。
ちゃっかり2つあって私を両側から挟むなんて、ああああ熱いちゅーの!!
おおお恐ろしい子…!!
私はこうして熱い熱いと悶えながら溶けてゆくのね…。
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