戦国BASARA

□第5開
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そして今に至るワケだ。





「ん〜。冷たい〜。感覚ない〜」

「大丈夫だから、ほら、あけるよー」



保冷剤で冷やした両方の耳たぶは真っ赤になって、多分大丈夫だろうからサクッとあけてしまう。





「いざ参る!推して参る!!」

「竜の旦那じゃないんだから!」



かけ声と共にカション。と貫通した音がして、ピアッサーを放す。

うん。キレイにはまってる。



「よーし反対。あ、少し血出てるからコレでおさえて」

「はーい」



ティッシュを渡してもう片方もカション。とあけてやる。




無事にピアスがはまり、おぉ!!とか言いながら鏡で自分の耳を確認している。



それにしても、佐助は現代の人じゃないのに、というかゲームの中の人なのに、


今私の目の前にいる佐助は、ジャージにピアス。元より明るい髪。

ヘタすればどっかのチャライ高校生、大学生にしか見えない。




「じゃー。ご飯作りますか!俺様が腕にヨリをかけて!」




腕まくりをする姿だって普通の人に見える。


けど、チラホラ見える傷が、普通の人とは違うという証明。





「今日は鮭が食べたいですお母さん」


「お母さんって…」




苦笑いしながらも了解、だなんて言って背を向ける。






自分でおさんどんを頼んでおきながら、今更少し、後悔してる。








どんどんこっちの世界に馴染んでいる。





嬉しいのかそうじゃないのか、よくわからない。









「ぷーたろー、ごろちん」




2匹を腕に抱きしめてつぶやく。











「いつか、帰っちゃうんだよね」





いつか見た物語のように、異世界へ行けば元の世界へ帰る、というセオリー。


きっと佐助にも当てはまるのだろう。








すっかり使い慣れた私の台所でご飯を作る佐助の背中を見て思った。














―いつか、いなくなってしまうのだろうか―





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