戦国BASARA
□第6開
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「あれ…?」
いない。
佐助がいない。
今の今まで考えていたことが、どっと背中に乗ってくるようだ。
“いなくなってしまった”
“帰った?”
“いつ?”
“どうやって?”
“良かった”
“良くない”
“どうして?”
「ぷーたろー、ごろちん…」
クンクンと足元にすり寄ってくる2匹。
でも、今の私はそれどころじゃなかった。
佐助がいない事が、あの声は聞こえない事が、この静けさが、全部圧し掛かってくる。
一瞬、自分の中で瞬巡した考えの中に、帰ったことを、良くないと思っていたことにびっくりした。
元々“向こう側の人”なのに。まるで、“ここにいて欲しい”そう思っている自分がいるようで。
茫然と立ち尽くしていたけれど、その時、
「ただいまー。あれ、名無しさんちゃんお帰り。醤油切らしちゃってさー。今日のおやつはみたらし団子って…。
ええ゙?!」
スーパーの袋片手に、佐助が帰ってきた。
その瞬間に一気に不安がふっ飛んで、私の知ってる佐助の姿に、安心した。
安心した途端に、一気に力が抜けて、座り込むと同時に涙が出てきた。
それを見た佐助はわたわたとしていて、
「どっか痛い?何かあったの?え、ええと、くっ薬!薬箱どこさ!?」
バタバタと部屋の中を走り回り始めた。
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