薄桜鬼
□表情よりも、空気を読もう☆
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予鈴がボーン、ボーンと鳴り始めると、少し慌てながらも、斎藤に何か包みを渡して教室を出て行った。
カタリ、と音がすれば前の席に斎藤が戻っていた。
さっきまでの優しい空気はなくて、氷のように冷たい背中だと思った。
「ね。」
「何だ?」
「さっきの子って、やっぱり彼女?」
そう聞くと、やけに険しい顔で、こちらを向いてきた。
ヤバ、怖い。
「何故あんたにそんな事を聞かれなきゃいけない。」
やけに低い声で、明かに嫌そうに言われて、声が震える。
「…っだってさ、最近、よく来るし、「土方さんが用事を頼んでいるのだ」」
「斎藤少し笑っ「気のせいだ」」
「…」
「何だ」
私の言葉を全部遮る斎藤を、ジッと睨んでみた。
そうすると、いつもは半分隠れている目も、一緒に見えて、少しドキリとする。
でも、
「そもそもあんたには関係ないだろう」
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