無染色少女

□【い】羅刹と鬼と銀髪と
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暗い暗い夜の闇の中、綺麗な銀髪が妖しく月の光を浴びていた。









01.羅刹と鬼と銀髪と










「いひ、ひひひ…血、」


「ひゃははははぁぁぁあ!」



どうしてこんな事になってしまったんだろう。

さっきまで私を追いかけていた浪士の人達が今は見るも無残な姿になっている。


浅葱色の羽織…
と言う事は新選組?


でも、何であんなひどい事を…
まるであれは斬るのを楽しんでいるように見える。



「血、血だぁ…」


「ひゃはっ…血、」


「きゃっ…」



吐き気の様なものが込み上げて来た。

とりあえず浪士だったもの達を見ない様にソレに背を向けた。


それが運の尽きだ。


すぐ真横にあった木の板に気付かず、肘が当たりソレは大きな音を立てて倒れる。

その音で私に気がついた新選組の人達はその紅く染まった目で私を見てきた。


白い髪に紅い目…
普通の人間ではあり得ないような色をしている。


あれは人じゃないのだろうか?



そんな事をのんびり考えている間に、新選組の人たちは刀を引きずりながらこちらに向かって来る。

逃げ出そうとしても恐怖で腰が抜けて立てない。



「血、血をくれェェエ!!」



月の光に反射した刀が振り下ろされるのが見え、私は次に来るだろう痛みに固く瞳を閉じた。






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