涙恋ーRUIRENー
□別れは突然に
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『骸〜!!』
「なんじゃ、桜?」
『剣術やろうぜ!』
「はぁ…なんでこんな子に育ててしまったんやろか。」
ただあの時は楽しかった。
誰にも邪魔されず幸せに過ごせる、僕はそれだけで笑っていられた。
だけど。
あの日から僕の幸せは崩れ去ってしまったんだ。
『シャリシャリ…』
「のぉ、桜。」
『何?』
シャリッと大好物のりんごを頬張りながら僕は隣にいる骸を見上げる。
骸の視線は僕に向けられず、目の前で綺麗に咲いている桜に向けられていた。
「お前は幸せになれよ。」
『なんだよ急に。僕は今充分幸せだ!』
「はははっ!そうかぁ?そりゃよかった!」
腹を抱えて笑う骸に僕は違和感を感じた。
だけど、そんなのはほんの一瞬で骸に頭を撫でられた事によって消え去ってしまう。
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