涙恋ーRUIRENー

□見送りと旅立ち
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『はぁはぁ…』



僕は今、沖田家に向かって走っていた。


理由?
それはトシ兄がミツバ姉に会いに行っているから。


試栄館や街中を探しても見当たらなかったから勲にトシ兄の居場所を聞くと沖田家だと教えてくれた。



あれから日も落ちて、あたりは真っ暗になりだしていた。


沖田家の近くまで来た時、男女の話し声が聞こえてふとそちらを向くと、案の定。

探していた人物とミツバ姉がいた。



僕はそっと二人に近づくが、二人の話の内容が聞いてはいけないものだとわかり、物陰にかくれる。



「そうちゃんや桜ちゃんから聞いたわ。江戸で一旗あげるそうね…」


「ちっ…あいつら。」



静かな空間には、ただただ虫の声と僕の呼吸の音が聞こえるだけ。


僕は息を潜めて、二人の会話に耳を傾ける。










ー 見送りと旅立ち ー












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