涙恋ーRUIRENー

□久しぶりのゴリラ
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「んだよ、うるせえな。」


「騒がしいな!どうしたザキ!」


「山崎、お前安眠妨害で切腹だぜィ。」


「ちょ、そんな事言ってる場合じゃ!!」


『わー、勲、ゴリラがゴリラゴリラになったね!』


「「「…桜?」」」


『やほー!』



笑顔で片手を上げた私を見て、奥から出て来た勲、トシ兄、総悟はポカンッと口を開いて固まった。


だが、次の瞬間ジタバタと慌て出すゴリラ。



「うぇ!?な、なんで桜が!?ミツバ殿は!?」


『ミツバ姉なら大丈夫だよ。元気モリモリ!』


「テメェ、何で来たんだ。」



トシ兄にギロリと睨まれ、苦笑いを浮かべる。


いや、何で来たって言われても…
みんなを追いかけて来ただけなんだけどなぁ。



『真選組に入るため!』


「女のお前には無理でィ。帰れ帰れ。」


『黙れよ童顔。』


「よし、俺が相手してあげまさァ。もちろん真剣で。」


『おっしゃあ!かかって来いや!』


「待て待て待てェェエ!何でお前らはそうすぐ喧嘩するかなぁ。」



今にも斬りかかろうとしている私と総悟の間に勲が割って入って止めにはいる。


渋々刀から手を離すも、目は総悟を睨んだままだ。



『わざわざ来たんだ。入隊させてよ。』


「お前は女だからダメだっつってんだろ。」



タバコを咥えたトシ兄がアタシを睨みながら言うが(なんかアタシ睨まれっぱなしなんだけど…)そんな彼を無視してアタシは勲に頼みこむ。



『お願い勲!アタシ、強くなったんだ!アタシの腕前を見てから入隊させるかさせまいか決めて!』


「だ、だがなぁ桜…とっつぁんが…」


『あ、松平の旦那ならほら、許可証あるよ?』



懐をガサガサとあさり、屯所に来る前にもらって来た書類を勲に突きつけた。

それを見て顔を青ざめる勲とトシ兄。



「あの人…ほんっと何やってんだよ。」


「あははは…だがな、桜。俺達は桜を危険な目に合わせたくないんだ。


真選組なんざに入ったら、結婚できないんだぞ?

好い人と一緒になれないんだぞ?」



勲はアタシを宥めるように頭を撫でながらポツリポツリと話す。

それをアタシは黙って聞きながら、勲の目をジッと見つめた。





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