涙恋ーRUIRENー

□実力の差
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カンッカンッ



『やるねぇ、総悟。』


「アンタ本当に女ですかィ?」


『あはっ♪殺されたいのかお前。この美乳が目に入らぬか!』


「ん?目の前に乳がある奴なんざいねェや。あ、ゴリラならいやすが…」


『てめっ!ゴリラは勲だろ!』



普段と変わらぬ言い合いをしているが、今二人はものすごい打ち合いをしている。


そんな二人の試合に観客達は魅入っていた。



「桜のやつ、あんな剣術何時の間に…」


「あんな構え見たことねぇぞ…ありゃ、喧嘩で覚えた技とかそんなんじゃねぇ…









自己流だ。」



土方は咥えていたタバコを持ち運んでいる携帯灰皿に押し付けた。

その間も視線は目の前で打ち合いを続けている二人に向いている。





ーー五分五分のように見えるがありゃ、総悟がおされてるな…




『そろそろ本気だしなよ。』


「そりゃアンタもだろィ。」


『いや、だって本気出したら総悟吹っ飛ぶよ?』


「俺が本気だしたら桜は死にやす。」


『何を!?アタシが本気出しちゃったら総悟宇宙まで吹っ飛んで、永遠に宇宙をさまよう事になるよ!』


「俺が本気を出したら、桜は形が残らないぐらいぐちゃぐちゃになってマヨをかけられマヨ方に食べられやすよ。」


『うわっ、マヨは勘弁…』



うぷっ、と手に口をやった桜に総悟はすかさずもらった!と斬り込んだ。


が…



バキッと言う音と共に総悟が持っていた木刀が折れた。



「「「なっ!?」」」


『よし、アタシの勝ち〜♪』



ニシシ、と歯を見せて笑っている桜を見て総悟や近藤、土方までも冷や汗を流した。



ーー隙だらけだったのに何時の間に木刀を振るいやがったんでィ…
振るったような動きなんざ見えなかった…こいつ。



「し、勝者桜!」



近藤の高らかな声に隊士達は雄叫びをあげた。







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