涙恋ーRUIRENー

□真実は残酷
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『はぁはぁっ…く…骸、何処…』




雑魚兵共を斬り殺した後、船内に入ったがまた新たに出てくる雑魚兵。


刀を振り上げて来る雑魚を蹴り飛ばし、襲いかかってきたハゲを切り伏せる。


先ほどから何百人もの雑魚が出てきて流石に息がきれてくる。



「うぉぉお!」


『邪魔なんだよ!』



そそくさと邪魔な男を切り伏せた時、船の何処からか爆発音が響いた。

その後に聞こえるのは刀の交わった音に断末魔。

そして、指揮を取るトシ兄と勲の叫び声。



『え、嘘!来るの早くない!?』


「桜!何処だ!」


『え、銀時?』


「早く行くアル!」


「骸さんはおそらくこの船の奥に居る筈です!」


『神楽っ新八君っ…ありがとう!』


「おい、桜。」



周りの敵を倒しながらこちらにきた三人にアタシは溢れ出てきそうになった涙をこらえる。



「馬鹿共からの伝言だ。」



銀時はそう言うと、見慣れた真っ赤な果実を投げてきた。

咄嗟にそれを受け取り銀時を見やる。



「ちゃんと、仕事しろ。だとよ。」



銀時の言葉にアタシは目を見開くとその赤い果実…リンゴに視線を落とし緩く笑った。



『…じゃあ今から仕事してくるよ。銀時、伝言頼める?』



黙ったまま頷いた銀時にアタシはりんごにかぶりついてから口を開く。



『お前らが仕事しろ。ってね。』



アタシはそう言った後、一振りで浪士を切り伏せた。



万事屋メンバーを横目に開いた道を急いで走る。



きっと、きっとこの奥に骸はいる。

そんな気がするんだ。













ガウンッ ガウンッ


『がっはぁ…』


「久しぶりじゃの、桜。おうおう、美人になりおって。」



突如、痛みの走った腹を抑えれば溢れ出て来る血。

撃たれたと分かった時にはもう遅く、うしろを振り返ればキラキラと太陽に照らされている金髪が視界に入った。



『が、ぃ…?』


「くくっ…なんじゃその顔は。」



悪戯っ子のように笑った彼にアタシは目を見開いた。


煙が出ている銃口がアタシに向いている事から、アタシを撃ったのが彼だと、骸だと分かったからだ。





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