星空の下で3
□例えば、ほら
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怖かった。自分を失うのが。
怖かった。誰かを傷つけてしまいそうで。
怖かった。自分自身が。
ー例えば、ほらー
「例えば、ほら…科学班の皆さんとか。」
いつの日だったか、談話室でなんでもないことを話して笑いあった。そんな遠くはない日のこと。
最後に話したのは三日前だ。「いってらっしゃい」と「気をつけて」。
「例えば、ほら…アジア支部の皆さんとか。」
私が辛い時には私よりも辛そうな顔をして抱きしめてくれたバクちゃん。よく喧嘩をしたり殴り合いをしたけど大好きだと言ってくれたフォー。
「例えば、ほら…エクソシストの皆さんとか。」
抱きしめたら頬を赤らめたリナリー。ツンデレで実は優しい神田。うざいけど何かと私を支えてくれたラビ。
「例えば、ほら…アレン・ウォーカー。」
笑顔で私を受け入れてくれた彼。同い年だからか話もあって、楽しかった。何故か安心する彼の隣。気がついたのは数ヶ月前。もう少し早かったら、と何度思ったことだろうか。
アレン、彼の事が私は好きだ。大好きだ。
あの笑顔が、あの声が、私を支えてくれた。
「大っきな“私”さんにはこんなにも大事なものが沢山あるんだよ。」
ニシシッと歯を見せてはにかんだわたしに私も笑いかける。
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