星空の下で
□裏の顔
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「よぉティッキー、Hola!」
「久しぶりだね、ティキ♪」
「うげっ、何してんのよ?」
千年公に連れられてやって来たのは三ツ星レストラン。
中にはいれば、本を読んでるロードとパフェを食べているハノンがいた。
こんな様子を見て、誰がこいつらをノアだなんて思うんだろうか。
「見てわかんねェ?ベンキョォー。」
「学校の宿題、明日までなんですっテv」
「それを手伝うために俺らが呼ばれたんだよ。」
パフェを食べ終わったハノンはスプーンを置くと、鉛筆を手に持った。
「やべェのv手伝ってぇ。」
「はぁ?学無ェんだよ、俺は。」
「字ぐらいは書けないとアホすぎるよ?」
ケタケタと笑うハノンの頭を叩いてから、はぁー、とため息をついた。
一応本を手に取るも、内容なんざ全く分からない。
「今夜は徹夜でスv」
「ねぇ、チョット。まさか俺呼んだのって宿題のため?」
必勝と書かれた鉢巻を巻いて、気合充分な千年公は懐に手を突っ込むとカードを取り出した。
それを俺に向けて話をはじめた。
俺の頭に顎を乗っけて来たハノンはうしろからそのカードを覗き込んでいる。
「ひとつめのお仕事v
ここへ私の使いとして行って来て欲しいんでスv」
「遠っ…」
「まぁ、そう言わずニv
ふたつめのお仕事v」
ずらしたカードには沢山の人物の名が書かれていた。
「ここに記した人物を削除してくださイv」
その多さに、俺は目を見開き眉を寄せた。
「…」
「!」
「…多っ!了解っス。」
これ以上ここに居れば宿題をやらされる、と思いハノンを退かしてから立ち上がる。
「そんじゃ、宿題頑張ってね。」
「ティッキー。」
そそくさと出て行こうとした時、ロードに声をかけられ振り返る。
「手伝うくれてありがとぉ。」
「……家族だからな。」
帽子をかぶった俺は三ツ星レストランを後にした。
「で?」
「うん?」
「何でお前が居るんだよ、ハノン。」
「あはっ♪俺も仕事があるんだよ!」
そう言って笑ったハノンは何処か楽しそうだった。
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