ヤンキー君と、メガネ君。

□視線の意味
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「おい藍、本当に何もやってないんだよな?」

「勿論だよ、なんかやってたら忘れる訳無い……でしょ……?」


「だよな、じゃあさ……なんで……お前は…」

「……もっちゃん………」

「なんでお前……学校一の不良、桐谷櫂-キリタニ カイ-にあんな睨まれてんだよ!?」


「わ、分かんないからもっちゃんに相談してるんでしょ…!なんで……?……もぅ…学校行きたくない……ぇ……っ……」


「泣くんじゃねぇよ!俺だって泣きたいつーの、藍の隣にいつもいるから俺も睨まれてんだよ!!どうにかしろよ藍!」


どうにかできたらやってるよ(泣)
もう わけわかんないよ……


1ヶ月前、夏休みが終わってすぐ、学校はある話で持ち切りになった


[あいつが帰って来る。]


[あいつ]とはさっきもっちゃんが言ってた学校一の不良さんの桐谷櫂君の事で……髪の毛が金髪で…僕ともっちゃんと同じクラスで…何故か最近僕の事を…に、睨んで…くる人です……



入学式の日に停学を食らったらしいとか……でもそれは1ヶ月位だったのにずっと学校には来ず今も停学中なのかもとか……喧嘩で100人病院送りとか……熊を素手で倒せるとか……血塗れの死体を運んでるとこを見たとか……危ない店に入り浸っているとか……、
沢山の噂話は嫌でも耳に入ってきて、ビビりの僕はもっちゃんと一緒に関わらないように生きようと話ていたのに………



なんで僕なんか見てくるの…?
……切れ長の目を細めた桐谷櫂君の視線は恐怖を与えるのに十分だった


「僕……話した事も無いのに……うぅ……」


「えぇ〜あんなに睨んで来るって事はお前が気にくわないって事だろ?やっぱりなんかしたんだよ……それか…桐谷は眼鏡が嫌いとか?」
「意味分かんないよ……もっちゃん、もっちゃんも眼鏡してるよ……?」
「伊達眼鏡だ」
「………。」





どうやら 僕はあの怖い噂の絶えない桐谷櫂君に何故か激しく嫌われているようです。

 
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