オギナイアエタラ
02/25(Mon) 04:01
詩の園
ななき
花を失った薔薇は
棘しか残らない。
御従えする女王を失った騎士は
夜盗となって、
御守りする花を失った薔薇は
野草となって。
優しさの糧はもうない。
鋭い切っ先しかない果ては
真紅の薔薇を咲かして。
涙は血で赤い滴の悲しみ、
赤く染めたのは、
指先だけでなくはなく生きる地も。
薔薇から野草になった
情熱家の元種子、
騎士から夜盗になった
盲信家の元男子。
泣き出しそうな切っ先投げて
空っぽになった
上座を見て嘆いた。
「神様、悲しいよ」
古きを知る姫が言った
「刺々しい、怖いよ」
ねぇ御姫様、
僕が大事にしてたものは
どこに行ったのかな?
しがらみの根を抜いて
旅に出ようと思うが、
ここは約束の地。
薔薇の花が返り咲いたら、
騎士の女王が
御帰りになられたら、
そう思うと、ここは守るべき
花の女王の庭園。
どんなに刺々しくとも、
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