オギナイアエタラ

▼書込み 

08/08(Fri) 02:37
翡翠色の悲哀
nanaki


君の涙知らずに知った悲しみ、
心に響いた月の悲哀、
静かに咽(ムセ)びいた
翡翠(ヒスイ)の蛙。

曇り硝子(ガラス)の向こう
黒い烏(カラス)は飛び、
照らし出せないでいる笑顔、
夜空に消えた雨蛙の歌。

泣き出した曇り空、
夜の雨は虹を作り出さない、
雨蛙の願いに架け橋は出来ない。

月の明かりに共鳴して輝く
壊れた日々、
感情の波に煌めく白い波。
涙はそこに落ち底に落ちる事なく、
割れた日々に吸い寄せられて
水面に映る月の光に
呑まれる雨のよう、
涙は輝いた日々を水浸しにする。

首の折れた蛙、
月を見上げる事なく。
湖に落ちた輝き、月の幻を見て、
君の名前を歌い、
水面に浮かぶ葉に言葉を乗せ、
偽物の夜空を泳いでいる。

君の悲しみに悲しみ、
君の喜びに喜び、
気がつけば君を知らずに
錆び付いてく日々。
上手く回らない日常は
反時計回りに回ろうとする。
流した涙なんて
帰ってきやしないのに、
戻ったって記憶は消えないのに、
伝った温もりを求め、
帰りたがる、戻りたがる。

月の別れ、星は出会えない。
君の出会い、僕は別れてしまう。
似て非なるものが散らばる世界、
鏡に映したって同一でない
寸分にずれる震える心。

蛙の涙、日常を進みづらくする、
錆を進めるだけ。
疲れた足、もう跳ねない、
戻れない幼い夢。

月が浮かび上がらせる翡翠の蛙、
誰にも触れられず、
ただ置かれてしまった置物。
帰る場所のない心は一人、
川岸に座り、
過去を彷徨い
君の面影を探すばかりで、
行き場なく、
ゆっくり風化の日を待つばかり。
PC

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