オギナイアエタラ

吐露場

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04/16(Wed) 22:45
カラフル
さきり

君はいつも綺麗だ
君の瞳はいつも潤い
君の髪はいつも誘い
君の唇はいつも意地悪だ

差し出した手に色を乗せて
麗しき君に贈ろう
それはそれは
空降るに
殻振るに

神様の涙のように
からっぽの楽器のように

空降るに
殻振るに


走り出した君は
一輪の花を手に
灰の上に降り立つ

それはそれは
神様の使いのように
華やかな妖精のように
いつか君は
僕を置いて消えてしまう

跡形もなく
跡形もなく

最初から君の瞳も唇も頬も耳も首も腕も手も脚も
君の意識も君の表情も君の気持ちも君の微笑みも涙も


すべて最初から存在していなかったかのように

綺麗に綺麗にいなくなる

君がいつか手にしていた一輪の花は
悲しそうに灰色だった君が手にしていた一輪の花は


きっとそれこそが

君だったんだね


HP
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SH33
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04/12(Sat) 20:38
大和桜
ななき


背筋を伸ばし高々と肩を、
揃えて、手を結んで、
薄紅の髪を風に遊ばせてる。

桜の凛とした後ろ姿、
心を打つものがある。
決して面は見せない、
その頑なな姿勢に感無量。

死期をを悟り死は必至、
だけど恥じる事なく、
悔いる事なく、涙を隠し散る。

その心意気、日本男児、
どこまで応えられるか?

去り逝く一瞬、
その刹那に垣間見る、
花びらの裏、
乙女の横顔ちらり、
見惚れて、くらり大和魂。

神風特攻隊が何故飛んだか?
あの道の横にただずむ
桜を見れば分かる。

桜の花は散れど、
夏、秋、冬、
貴女の面影は散らぬ。

春にまた、返り咲いて
男として生きる意味に、
花を添えてください。


HP
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PC
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03/30(Sun) 23:52
蘭子


再び桜咲き乱れる

春の野は鮮やかに
黄緑色の絨毯が広がる

やわらかな風に手を引かれ
日輪の恵みが降り注ぐ


この季節ならではの優しさに

群青を背に舞い散る
艶やかな薄紅は


幾度となく訪れる春を
決して飽きさせはしない


懐かしい匂い
見慣れた景色


新しい空気に開花する


新旧の思い出を


乱舞させながら


HP
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N902i
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03/11(Tue) 01:23
蘭子


逢いたい訳じゃない

思い出すことはあるけどね

少しでも離れたい

その薄れることのない
爽やかで濃厚な香りは

衣服にまとわりつくけれど


もうこの気持ちはいらないから

捨てていくことにしたの


二度と拾わないように



逢いたい訳じゃない

不意に笑うから顔も見たくない


凄くいい香り

まとっていたくなるから

思い出さない



二度と拾ってしまわぬよう奥底へ


捨てたから



目を合わさぬよう


粉々にして


HP
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N902i
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02/25(Mon) 04:01
詩の園
ななき

花を失った薔薇は
棘しか残らない。

御従えする女王を失った騎士は
夜盗となって、
御守りする花を失った薔薇は
野草となって。

優しさの糧はもうない。
鋭い切っ先しかない果ては
真紅の薔薇を咲かして。
涙は血で赤い滴の悲しみ、
赤く染めたのは、
指先だけでなくはなく生きる地も。

薔薇から野草になった
情熱家の元種子、
騎士から夜盗になった
盲信家の元男子。

泣き出しそうな切っ先投げて
空っぽになった
上座を見て嘆いた。

「神様、悲しいよ」

古きを知る姫が言った

「刺々しい、怖いよ」

ねぇ御姫様、
僕が大事にしてたものは
どこに行ったのかな?

しがらみの根を抜いて
旅に出ようと思うが、
ここは約束の地。
薔薇の花が返り咲いたら、
騎士の女王が
御帰りになられたら、
そう思うと、ここは守るべき
花の女王の庭園。
どんなに刺々しくとも、


HP
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PC
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12/19(Wed) 18:36
人魚の旅立ち、音楽の終わり
ハニーセブン

人魚よ、人魚
貴女は人形?
いいえ、違うわ
貴女は人魚よ。
美しい冠は、
海ですぐ置いてかれる、
美しい声は、
海でも優れて老いて涸れはしない。
貴女の彼は知ってるかしら?
貴女が人魚だって
貴女を人形扱いしないかしら?

瞳にはコバルトブルー、
言葉は震えて歌は飛ぶ、
朝日に旅立つ小鳥のよう。

歌声を籠に入れて、
ずっと聞きたかったけど
海で泳ぎたいと歌ったから、
手の平に抱えて海に帰した。

泳ぐのは、ずっと下手、
ずっと籠に入れときたかったわ。
お気に入りなんだもの、当然でしょ?

貴女は朝日が上がる水平線に、潜っていった。

籠に入る朝日の歌声、
貴女を思いだすばかり

朝日が夕日に見えてしまうぐらい、
終わりを感じてしまったわ。


HP
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TS3D
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11/30(Fri) 21:08
しゃぼん遊び
ななき

嘘のない虹色の膜は綺麗な唾液
心だって体だって洗たっていい

唇に張り巡らし
息苦しい光に恵まれて
胸の中から鼓動の息を
そっと置くように注ぎ込む

最初の一息は
ちょっと強く踏ん張って
後は惰性に似た勢いで
傷つき壊れやすいから
中々はなせない

唇に張り付いた円は
風に揺れながらも
ゆっくり巣立つ

春風に遊ばれて
はしゃぐ子供のように飛んで
張り付いて落ち着いて
淡い口付けをそっとする

割れる場所を決めたらあとは
落ち着いた場所次第

どうなるんだろうか?

納まらない胸はどきどき
時々不安でふらふら
ふわふわ飛んでた
幼き日が懐かしい

壊れて弾けても何度でも
毎日 毎週 毎年
夢うつつのしゃぼん玉遊び
生まれ変わっても

いつか固まって重い
宝石になればな

宝石じゃ浮かないから
脆く壊れやすく軽くして
遠くに飛ばすの
託すようにさ

掴みやすくはしてあるよ
風向き考えずに
唇はしっかりあなた達に向いて

両足を外にほっぽり出して
後は風任せのあなた任せ


HP
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TS3D
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07/31(Tue) 09:07
ことだま
ナツメ

水槽の中の
硝子玉が
反射している

眩しさに
眩暈をひとつ

夢の中で
囁くように
あなたに伝えるから

一つのしぐさ
いくつかの言葉
唇を開くまでの
数秒のデジャヴ

あなたのすべてに
愛しさを込めて


鼓膜を震わすように
囁くから

耳もとで
伝える

好きです


HP
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SH903i
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07/06(Fri) 19:38

HANA

ため息に色を付けたかっただけ
懐かしい情景を裏切りに変えた夏の山道
空き缶がふれ合う無機質な失望の音に
気が静まるだけの螺旋を乞った

震えは空を切った爪先の所以
奥歯に噛みしめた嘘の残り香
目に見えるものとして
やっと虚無を感じる鈍感な脳裏


HP
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PC
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06/15(Fri) 21:19
大気を泳ぐ魚のように
ナツメ

泳ぐのをやめてしまえば
生きられず
何かを負わなければ
感覚を無くしてしまう

誰かに必要とされることで
自分を確かめていた

泳ぐのをやめないで
呼吸を止めないで

唇を開くたびに
水泡が零れ
空へ飛んでいく


息を殺して
珊瑚の影に隠れていた
誰かを待って
震えるのをやめたかった

泳ぐのをやめないで
呼吸をとめないで

あなたに触れられることで
生きていると感じたかった


水面から斜めに走る
スペクトルを追い
虹色に輝く遮光に沿って
大気中を泳ぐ魚のように
止まらないと決めた


HP
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SH903i
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