小話∀

□ひじたか
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「ひじたかさ…じゃないひじかたさん」


「何だ」


「この前の事件についてなんですが」















「ひじたか…ひじかたさん」


「…何だ」


「今月の公費が…」













「ひじたかさーん」


「…いや俺ひじかた」
















「ひじか…ひじたかさーん」


「ひじかって言いかけたよね!?何で今言い直したの!?」


「何のことですかいひじたかさん」


「いや、ひじかただから」


「そんなことよりひじたかさん」


「聞いてる?」


「部下に自分のことひじたかさん、なんて呼ばせてる奴の話なんか聞くわけねぇでしょう」


「俺が呼ばせてるみたいに言うのやめてくんない?お前らが勝手に呼んでるだけだからな」


「高杉がかわいそうでさあ」


「…聞いてる?」


「下手な彼氏はもつもんじゃないねい」


「聞く気すらねぇだろ」


「ひじたかさんって呼ばれる度にニヤついてるくせに何でい。あー、俺もおきたかに改名しようかねえ」


「…は!?何言ってんだてめえ」


「いきなり何でさあ」


「お前がな!ひじたかとひじかた間違えんのはわかるけどおきたかっておかしいじゃねぇか」


「いつもの沖田、の後ろにかがついただけでさあ」


「つけねぇよ普通!どこにわざわざつける奴がいんだよ」


「俺最近自己紹介のときにおきたかそうごって言っちまいまさあ」


「自分の名前間違えるってどんなだ」


「けっこう間違えやすいんでい」

「どこがだよ。…もしそうだとしても、おきたかってのはやめろよ」


「考えときまさあ」
















******

〜浪士



「これで全部か?」


「ああ。天人から仕入れた毒薬だからな、少量でも効果はすごいぜ」



「くっ、幕府も馬鹿だなあ。ちょっと隠れりゃ気付きもしねぇ」


「全くだ……ってなんか下騒がしくねぇか?」


「…何か階段を駆け上がってくる…足音!」


「近いぞ!」




バン!




「っ誰だてめぇら!」


「何しに来た!」


「はっ、俺を知らねぇのか?真選組副長、ひじたか十四郎だ、覚えとけ」


「真選組一番隊隊長、おきたか総悟でさあ」


「真選組…!…ってあれ?なあ、あいつ名前ひじたかだったっけ?」


「似たような感じじゃなかったか?それよりおきたかって…?」


「おい総悟、おきたかって言うのやめろって言ったろうが」


「やめるなんて言ってないんで。それに俺の名前なんだから俺の勝手でさあ」


「だからって人の恋人使うんじゃねぇよ!複雑な気持ちになるじゃねぇか」


「おい…あいつら喧嘩始めたぞ」


「よくわかんねぇけど、逃げといたほうがいいよな?」


「だな…よし、逃げるぞ」


「おう」




「…あっ、待ててめぇら!」


「追えひじたか!」











END.


しょうもない話ですみません…。

土高土高言っているせいか、土方さんのことを時々土高さん、と間違えて呼んでしまいます。

似てますよね、ひじかたとひじたか。






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