小話∀
□アイツと彼女の密事情B
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「銀時ぃ、一緒に飯食おうぜ」
購買で買ったと思われる菓子パンを2つ持って高杉がやって来た。
今は昼休みで俺は土方と沖田と昼食をとっているところ。
高杉が俺以外と喋っているところを見たことないので2人とは面識がないはず。
高杉入ると気まずくなるんじゃ…。
正直に言うとストーカー紛いのことしてくる奴と一緒に飯食いたくないだけだけど…。
「俺こいつらと食ってっから」
全く俺の言葉を聞いていないようで、近くにあった椅子を持って来て座りパンとパックのジュースを俺の机の上に置いた。
「俺の話聞いてる?」
「まあまあいいじゃないですかぃ」
にやにやとこっちを見てくる沖田。
絶対楽しんでるなこいつ…。
「高杉さー、友達いねぇの?」
パンを食べ始めた高杉に聞いた。
これは本当に疑問。
俺以外と喋ってるとこマジで見たことない。
いつも1人で近寄り難いオーラを放っていて、付き纏われている俺でさえ話し掛けられない。
いや、話すこともないんだけど。
「ん?いるぜ。万斉とか。」
「万斉?」
聞いたことねぇな。
「俺知ってますぜ。鬼兵隊の奴でしょう?」
「ああ。」
「鬼兵隊なら俺も知ってるぜ。」
「土方も知ってんの?鬼兵隊って何?」
3人が揃って俺のほうを見た。
「知らないんですかぃ?」
「うん。」
「バンドだよ。まだ出来たばっかだけど結構人気ある。よく雑誌とか載ってるし、有名だぜ?たしか万斉は作曲もやってるんだよな?」
「そうそう」
「で、何でそんな有名な奴とお前が友達なの?」
「銀時…やきもちか?」
「違うから」
「旦那、隠すことはねぇですよ。やきもちは誰でも妬きやす。」
「うん、ややこしくしないでね沖田くん。本気にしちゃう子がいるから!」
「銀時ぃ、気持ちは嬉しいが俺は銀時しか見てねぇから安心しろ!」
「余計安心出来ねぇよ!」
一人喜ぶ高杉に溜め息を吐きつつ万斉という名になぜかいい予感がしないのであった。
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