小話∀

□神威さん家のサンタ
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「晋助ー、靴下って枕元に置いとけばいいんだっけ?」


「靴下?何する気だァ?」


「プレゼント貰おうと思って。サンタに」


「ああ、枕元でいいだろ」


「だよね〜。晋助は置かないの?」


「サンタは餓鬼のところにしか来ねぇだろう」


「あ、そっか」


「ああ」


「じゃあ阿伏兎のところにも来ないね」


「そうだな」


「うん」


「…そういや、お前さんは何が欲しいんだァ?」


「俺が欲しいもの?決まってるじゃない、晋助だよ」


「…はあ?」


「だから、晋助が入るくらい大きな靴下を用意しないといけないよネ」


「…そりゃサンタでも難しいかもしれねぇなァ、期待しないで待ってるといい」


「心配いらないよ。阿伏兎にサンタは強いって聞いたから。誰かを捩じ伏せてでも持って来てくれるらしいよ」


「どんな教育受けてんだ…」


「あ、サンタと戦うってのもいいよネ」


「やめておいてやれ」


「仕方ないなあ。まあ、晋助連れて来てくれればそれでいいや。晋助ったら俺がいくら呼んでもこっち移り住んでくれないんだもん」


「当たり前だろう、俺は総督だぜ?」


「総督じゃなかったら?」


「…俺の身が持ちそうにないから無理だ」


「結局だめじゃない。俺大事にするのに」


「…つうか、今までお前はサンタに何を頼んできたんだ?」


「あー、うーん、食べ物ばっかりだなあ。何でもいいって言うから珍味とか頼んだりしたし」


「へえ、」


「そうそう、今年は晋助がいい、って言ったら、何故だか阿伏兎が慌てだしたんだよ。意味わかんないよね」


「いや…、あいつも大変だな」


「何?あいつって?」


「こっちの話だ」


「ふうん。ま、いいや。クリスマスが楽しみだなあ」


「……」





その後阿伏兎が高杉のもとへ頭を下げにやって来た。
切羽詰まった表情に、一日だけという条件をつけて高杉は頷いてしまうのだった。






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