お題
□盗撮が犯罪って知ってますか?
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その日珍しく授業には出ていたもののやはり真剣に受ける気にはなれず、結局うつらうつらしていのだ。
窓際の一番後ろの席の俺は暖かい日差しに包まれてそのまま眠ってしまった。
机の上で組んだ腕に、少し横向きに頭を乗せて。
それは6限目のこと。
どのくらい眠っていたかはわからない。
パシャッ
という音と共に俺の意識は戻ってきた。
そう、パシャッ…と…
…………パシャ…!?
とてつもなく嫌な予感がして急いで目を開く。
目に入ってきたのは機械?
これは…携帯…
寝起きの頭を働かせる。
携帯…パシャ……やっぱり…!!
ばっと顔を上げると銀八が少し驚いたような顔をした。
「あれ高杉、起きちゃった?」
「起きちゃった?じゃねぇ!!」
銀八は急いでケータイを閉めた。
「テメェ今何やってた?」
「んー、ちょっとかわいい教え子の写真を。」
悪びれなく言う銀八に怒りよりも呆れ。
「なんで寝顔なんて撮るんだよ」
「かわいかったからさー、つい。」
「つい、じゃねぇよ…」
「あ、大丈夫だぜ。ちゃんと寝顔以外もあるから。」
「………は?」
またもや嫌な予感。
銀八が先程しまったケータイを再び取り出し、データフォルダを開くとそこにはいつ撮ったのか俺の写真がびっしり…
その中の何枚かを俺に見せながら得意げに話す。
「これは授業中うつらうつらしてる時の、これは寝起き、体育の授業を受ける超レアな高杉もあるんだぜ」
「…銀八」
「んー?」
「…盗撮が犯罪って知ってるか?」
(「あ!あと、こんなのもあるんだぜ」
「…!!!消せっ!今すぐ消せ!」
「消しませんー。これは先生の宝ですー。」
「ふざけんな、消せエェェッ!!」)
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