連載

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昨日のことがあるので一瞬ドキっとしたが、高杉に屋上に呼ばれるのはべつに驚くようなことではない。

俺たちは月に一度か二度、屋上で話をするのが当たり前になっているのだ。

それはもう、一年くらい続いている。

始まりは、偶然俺が屋上に行ったらそこに高杉がいて、話してみたら意外に話せる奴で。

風紀委員と不良がそんな関係なんて変わっているとは思うけど、アイツには何か人を引き付ける魅力があるようで…俺はこの関係を断ち切りたくない。



「高杉!わりィ、待ったか?」


屋上に行くとやっぱりアイツは先に来て、外をぼうっと眺めながら煙草を吸っていた。

俺が声をかけると振り向いて小さく笑う。


「俺も今来たとこだ。」


高杉の隣まで歩いて行き、一緒になって外の景色に目を向ける。

目の前に広まるのは、小さな建物、車、人…。

何の変哲もない風景だけど、2人だけで独占しているようで気分がいい。


「土方ァ、何ニヤけてんだァ?」

「え、いや、べつに…」

「?ヘンなの」

そういう高杉もどこか嬉しそうで。

俺もよけいに嬉しくなる。





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